えむろぐ

365日 恋するよ 君に

夏も、恋も、持っていく。 〜やっぱり残しておきたい風 are you? のこと〜

焼けるような日射し、汗が張り付くほどの暑さ。
今年の夏もTDCホールを彩った「Summer Paradise」。
あの記憶を残しておきたいと思いながら言葉を書いてみては立ち止まって…と繰り返し、下書きフォルダに溜め込んでいる間に、いつしかすっかり空気も涼しくなり、季節がひとつ過ぎてしまった。
『風 are you?』が幕を閉じてから1ヶ月以上が経ってしまったところで、もはや何の鮮度もどこの需要もないのだけれど…自分の中の記録としてやっぱりどうしても残しておこうと思った。
 
鮮やかなネオンが暗闇を照らす夜の街。
心臓が強く脈打つような音とサイレンの音が入り混じる。
何もかも分からない。
薄れた朧げな記憶を抱え、今日もまた街をほっつき歩いてはクラブに入り浸り、音の中に身を委ねていた。
 
「お前は誰だ?(who are you…?)」
 
その答えを鏡の中の自分に問う。
家族、友人、恋人…本当の自分の姿とは…?
 
そんな英語のナレーションで 映像で幕を開けた。
 
昨年夏の初めてのソロコンサート『風 is a doll?』は、「大人になっていく過程で、人形のようになるな、と。そういうメッセージを込めたんだ」とふうまくんは言った。
彼が表現したいことと会場も皆が見たいもののバランスを絶妙に捉えた選曲も演出も構成も、どれをとっても素晴らしくて圧巻だった。
本人も手応えを感じただろうし、間違いなくひとつ大きな自信をつけることができただろう。
あの4日間が最高の形で皆の心に刻まれたのは記憶に新しくて、だからこそ1年という短いスパンで再びソロコンを行うことに対して、色々と思い悩んだに違いない。
 
“去年のステージを超えなきゃ意味がないし。でも何をもって超えるのかっていう話にまたなっちゃうんだけど。前回とは少し違うものをやってみようとは思ってる。”(TVガイドparson  vol.47)
 
そんな中で選んだ今回のライブのコンセプトは『風 are you?』
本当の自分とは?と自問自答をテーマにしたものだった。
アイドルであり、大学生であり、役者であり、アーティスト、タレントでもある。そんな自分の本当の姿を探す、というコンセプトだ。
 
前回と同様に自分の名前をもじったタイトルをつけるところも、テーマ性を持った内容でライブを観に来たファンとの双方向性のライブを作ろうとするところも、彼の中の強い一貫性を感じるものだった。
 
 
【It's Going Down】
イントロの一音目で、ステージを見つめる自分の心臓が大きく打ちつけるような感覚をずっと忘れないだろう。
最近のお気に入りだという薄い色のサングラスに、全身黒で纏めた細身のスタイルにシルバーのアクセサリーが映える。この夏、ドラマの役作りで絞った身体のラインがはっきりとわかった。
 
夢を見ているような 流れる瞬間(とき)抱いて
揺れる音の中 今踏み出そう
Time's up, It's going down!
夜が明け その夢醒めて 一人の日々も
It's going down!
そこから本当のstart 合図はthe melody
 
奥底に眠っていた自分自身の記憶を呼び覚まし、
その答えを求めるため、今動き出す。
 
 
 
Face Down(嵐)】
(これね、曲前に「Let's dance…」って囁く低い声がかっこよすぎるんすよ)
ふうまくんの好きな嵐の楽曲。「そうきたかー!」と早々に選曲に意表を突かれたけれど、今回のテーマに合わせたオープニングにはぴったりすぎる曲だった。
 
Secret Secret 君は誰なのか?
影も残さずに Escape
(指を口に当てながら“secret”ポーズがとても良い…)
 
間奏で今回のメンバー紹介。
昨年の『風 is a doll?』にも参加してくれた樹くん、SexyZoneの春ツアーも共に回ってくれた慎太郎くん、北斗くん。
皆自分たちのグループ活動やライブリハも並行している超多忙な中、抜群の信頼感を持って今回も一緒にステージを作ってくれた。
風磨くんと同期の森継くん、愛され弟の目黒くん、とにかくイジられキャラが定着した原くん。
大変申し訳ないのですが三人のことは存じ上げなくて、でもこの公演を通じて自分もひょっとして友達だったんじゃないかと錯覚するくらい勝手な親近感が生まれたような気になってしまう。
7人が横一列に並び、浮かび上がるシルエットが格好良すぎて息を忘れるほどだった。
 
ステージに一人残り、緑色のレーザーを使った演出。中央に降り注ぐレーザーは重低音とリズムに合わせて形を変える。
ふうまくんの手の動きで自在に操ったり、心臓の鼓動が脈打つように動く「自分自身」を表現しているように見えた。(この演出はアリーナ席よりもバルコニー席から見た時に全てが分かった感動!!)
 
 
【Party up!】
前回はオープニング一曲目に選んでいたソロ曲。ソファーに座り少し気怠げな雰囲気すら醸し出していた昨年とは一転して、一気にスタイリッシュに生まれ変わった。
ふうまくんカラーの紫色のペンライトで埋め尽くされたTDCホールを本当に音に溢れたクラブにしてしまったかのよう。(♪おっおっおっおーおー!を全力で歌えるのって本当に幸せだよねぇ……)
 
 
【雨傘(TOKIO)】
バンドスタイルのスタンドマイクにスタンバイして、第一声を聴いた時のあの鳥肌!
風磨くん×TOKIOという抜群の親和性は以前から証明してくれていたとおりで、そこに「雨傘」を選んでくるふうまくんのセンスが最高だった。間接的にだけど椎名林檎楽曲を歌ってくれていることにすごく興奮したし、色んなアーティストとどんな化学反応が起こるか挑戦させてもらえる機会がくるといいなと思った。
 
思い起こせぬ程の深い痛手と
使い切れぬ程の高い理想抱え
びしょ濡れになったら迎えに行くよ
ただ自分の現在地 見誤るな
 
 
「盛り上がって行こうか…」
 
 
暗転して再びスクリーンに英語のナレーション。
幼い頃の記憶を少しずつ手繰り寄せる……
ガキの頃の俺は、こんなに耳につく声をしていただろうか…
 
小さなジャニーズJrたちが演じる「幼少期の自分の記憶」とスイッチする。
 
「好きな人くらい教えろよ!風磨!」
「やだよ!なんでそんなこと言わなきゃいけないんだよ」
「俺だって言ったんだからだから教えろよ」
「シンプルに樹も言ってないじゃん!」
 
そういえば小さい頃はこんな他愛もない会話をよく繰り返していた。
あの頃、俺が好きだったのは…誰…? 
 
 
【lovin'U(KAT-TUN)】
ステージ中央に黒革張りのソファーに座り、隣にアコギを抱えた樹くんと、カホンを叩く慎太郎くん。
部屋の中で幼い頃の記憶の狭間を漂っているような、そんな心地良さを感じた。
 
この俺を最後まで 愛し続けることが本当に
できるかどうかだけを 知りたかった
 
俺が愛した人に見せたのは…どんな顔だった?
この曲もこの公演で初めて聴いたんですけど、ふうまくんに男の切なさを絶妙に表現させるのが憎いくらい似合いすぎてる。
 
 
 【アイナルホウエ(赤西仁)】
自分はこれまでKAT-TUNを通ってこなかったので、周りがイントロでざわつく中誰の曲なのか、はたまたクラップのタイミングも分からなくて戸惑ったのが正直悔しくって。でもちびジュと一緒に踊るふうまくんの表情がとても優しくて楽しそうで…
記憶を辿るシーンとして何故この曲たちを選んだのか、その理由を見つけるのもふうまくんのソロコンの醍醐味なんだなぁと身をもって感じた。
後に、赤西くんを見つめてきたフォロワーさんたちからふうまくんが選んだ曲をおすすめしてもらったのだけれど、そんなやりとりが生まれるのもすごく良いなぁと思った。皆それぞれ好きだったグループは異なるし、聴いてきた曲も知っている曲も違いがあって…
けれど今ふうまくんというフィルターを通して、ふうまくんの中で想いが熟した楽曲を知ることができる。なんかそれってきっとふうまくんがすごく望んでいることなんじゃないかな~~なんて都合の良い解釈ですが。
 
まっすぐに生きていよう
自分失くさないよう
キミのステージではキミがスター
 
ファンが寄り添いたい気持ちにぴったりだった。
あなたが立つステージは あなたが輝く場所
だから迷うことなく そのまま まっすぐでいてほしい。
 
 
【YOUR STEP(山下智久)】
大人になったメンバーとちびジュも全員集合。
序盤の公演こそまばらだったC&Rも、日を増すごとに歓声も大きくタイミングもぴったり揃っていった。
会場全体をハッピーに包み込む。
センターにぎゅっと集まって歌う姿が可愛くて、みんな子供の頃に戻ったような笑顔が印象的だった。
 
 
My Lovin' Season
昨年の『風 is a doll?』でJrの皆も感極まってぼろぼろと涙を零していたことを鮮明に思い出す。
移りゆく夏の儚さや仲間と過ごす時間の尊さを歌ってくれていたのが昨年の『風 is a doll?』なのだとしたら、今回は隣に居られる今を愛おしむように大切に想うことを歌ってくれているような、そんな心地よさと幸せな気持ちに満ちた「My Lovin' Season」だった。
 
自分で綴ったフレーズを「みんな歌える?」と優しく問いかけてでマイクを向けてくれる。
その柔らかな笑顔に、何度だって恋したくなる。
 
波の音も 焼けた砂も
アルバムに残らないから 素敵なんだ
君の声はこのままずっと
聴いていたい 笑っていたいな
思い出にはしたくない My Lovin' Season
君といればいつでもMy Lovin' Season
 
ふうまくんといられる季節はいつだって大切で愛おしい特別な季節だ。
 
 
昨年に引き続きコントコーナーは日替わり2メニュー。
ふうまくんが社長役の「アイドルオーディション」編と、ふうまくんが先生役の「学校」編。
今年もオテンキのりさんの監修による芸人顔負けの濃い内容で、アドリブを交えながら抜群のセンスでこなしてしまうから本当にジャニーズってどこまでもすごいなと思わずにはいられない。
(個人的にオーディションコントで江口洋介似を自ら公言し短歌を詠むほっくんと、学校コントでなぜか女子配役される慎ちゃんと原ちゃんの振り切り具合が好きでした)
どちらのコント内容もひたすらボケ倒したところでちびJrたちが登場して風areメンバーと対峙する。
 
 
【FIGHT ALL NIGHT(KAT-TUN)】
【summary】
DREAMBOYSやSUMMARYといったジャニーズ伝統のオマージュを積極的に取り入れてくるところからもふうまくんのジャニーズ愛を感じる。
全員衣装を浴衣に着替えるのも、コンサートで夏を忙しく過ごすJrメンバー皆と夏祭りの気分を味わえるような、そんなちょっとした計らいなのかもしれない(なんて)
 
昨年と違ったのは、スクリーンに2012年TDCホールでのSUMMARY映像が映し出されていたこと。
SexyZoneとして活動していくことにおそらく葛藤があったであろうあの頃の彼自身にも、今回のテーマを問いかけているようにも思えた。
昨年大爆笑だったエアサーフラも、今年はギターの小川くんを輪の中心に入れようとするところが、ふうまくんらしくてすごく好きだった。
毎公演メンバーをランダムに指名し一発芸をさせるくだりもおなじみ。その仕返しとばかりにオーラスでは逆指名を受けたふうまくん。
 
「…マリウスがカッコつけるときの真似やりまーす…(しぶしぶ)」
(この公演の中でふうまくんの口から何度も「マリウス」と聞いた気がするな〜♡)
 
 
【言葉よりも大切なもの(嵐)】
去年もセットリストに入れてくれていた曲。
自分がライブを作るうえで、会場の一体感をなにより大切にしようとする想いがこの選曲に表れていたのかもしれない。
 
疑うことなく旅する雲が 素晴らしい今日も
あなたよりも大きな愛は どこにもないんだよ
 
おなじみのC&R、「ここには〜?」「 あるから〜!」と返す会場の皆の声も表情も、すごく輝いてる。
 
“言葉よりも大切なもの ここにはあるから
それでも大切なことはちゃんと言葉で届けてくれるふうまくんが好きだよ。(アリーナに降りてきてくれたふうまくんがあまりにも近くて、つやつやのもちもちのきらっきらで!心臓口から出るかと思った。あの輝きを表現できる語彙力の無さが悔しい。)
 
 
MCコーナーではステージ中央にソファとイスを置き、各々浴衣のままリラックススタイルのトークタイム。
ちょっとしたバカンス気分でパラソルがささったテーブルからコップを持ちより、ジュースを飲みながら話をしている姿がすごく可愛かった!
 初日に話してくれた「決起集会」を行ったエピソード。
今まであまり交流がなかったメンバーを含めてみんなで焼肉食いに行って、2時間くらい寝てから交代で車を運転して海に行って…
 一見普通の大学生の夏休みのようだけど、それでもふうまくんの一声によって決行された計画にメンバーの士気は十分高まっただろう。(北斗は大学の試験で行けなかったんだけど、ってフォローも)そのおかげか、普段は別々の場所で活動している7人の息のあったチームワークを感じた。
 
「俺たちで喋っちゃうと終わらないから」と客席のファンから直接お悩み相談コーナーも。20歳前後の男子が集まるとそーなるよね!!と下ネタに寄っていってしまうのもある意味健全。
話が逸れてしまいそうになるとちゃんと軌道修正して解決してあげようとするところがふうまくんがらしいなぁと思ってみたり。
また、誰かが出過ぎたり喋らなかったりみたいなことがほぼ無いちょうど良いバランスをうまく取れているところもすごく良いなと思った。
教室の中でいつも楽しそうにしている男子グループを覗いているような。話しかけたいけど眩しすぎて手の届かない存在。どこかそんな甘酸っぱい気持ちにさせてくれる。
 
 
【恋を知らない君へ(NEWS)】
 今年の夏はふうまくんにとっても、私たちにとっても今までよりももっと、もっと、忘れられない夏になったに違いない。
彼が自ら「人生を変えるほどの作品」と言える「時をかける少女」という作品に出逢えたこと。
物語のメインキャストを演じることに「プレッシャーに感じる」と気負っていた時に、尊敬する先輩の櫻井くんに「いつもの仕事を同じように、大切に向き合えばいい」と背中を押してもらったという。
 
未来から来たケン・ソゴル
現代を生きる深町翔平
 
研究者としての顔、幼なじみの前でおちゃらける顔、催眠をかけた母親の前で見せる息子の顔、そして好きな人の前で見せる恋をした顔…
奇しくもドラマの中でも色んな顔を演じたことも『風 are you?』を作るきっかけのひとつになったのだろうか。
歴史ある作品と真摯に向き合いながらも、現実には戻ることのない高校生に戻り、全力で駆け抜けた彼の二回目の青春。
 「直接お願いして許可をいただき、歌わせていただけることになりました」と、本家NEWSがライブで披露するよりも先に、主題歌を歌ってくれた。
ソロコンが始まる前に「恋を知らない君へを歌わないかな~」なんて話していたことが本当になった。先輩への配慮までちゃんと筋を通すところが彼らしい。
 
嗚呼 あなただけは消えないで
夏の中へ つれてって
恋をした あの日のまま 笑いあえたら
 
どうしたって目の前で歌うふうまくんに、未来に帰ってしまった翔平を重ねずにはいられなかった。
スクリーンにドラマの映像が映し出され、翔平が未羽と吾郎と過ごした長いようで短い夏がフラッシュバックする。
役者として演じる楽しさや身につけた自信を噛みしめるたびに、彼はこの夏を思い出すだろう。
そうやって自分の中で手ごたえを感じる瞬間がたくさん訪れてほしいと願う。そのひとつひとつの積み重ねで、夢に近づいているんだと強く感じてほしくて。
 
「夏も、恋も、持っていく…」
物語の最後に、未来からやってきたケン・ソゴルが未羽に約束したあの言葉を歌い終わって、優しくそう囁いて微笑んだ。
これでもうこの夏出逢えた翔平と会えなくなってしまうのかと、本当の最終回を迎えたような気持ちになってしまった。
 
【Jrコーナー】
・FLASHBACK/V6(森継、目黒、原)
・内容のない手紙/NEWS(北斗)
・V.I.P(慎太郎、樹)
 
ダンスで魅せる、しっとり聴かせる、会場を巻き込んで盛り上げる!
B.A.Dが歌う「V.I.P」が大好きだったので毎回本当に楽しかったし、オーラスで桐山くんが見学にきてくれていた時には、ステージの北斗くんが曲前にさりげなく桐山くんの方へ手を向けていたのがなんだかグッときました。
 
 
【rouge】
天蓋のような布が張られたセットの中に女性ダンサーが踊るシルエット。掴めそうで掴めない、絡まってほどけない。いつまでも手に入れることができない、そんなもどかしい距離を表現しているようだった。
腰履きの緩いデニムの水色と、綺麗な黒髪の艶めき。グラスが割れる音が危うさと背徳感を演出していた17歳の「rouge」。
あれから4年が経った今、その薄い色のサングラスを通して見えるのは背伸びをしていない、21歳等身大の「rouge」だったように思える。
初めてのソロ曲を、毎年大切に披露し続けてくれる。その想いが嬉しくて。同じ曲だけどこれからもどんどんと表情を変える「rouge」を、この先も楽しみにしていたい。
 
 
【But…】
数ヶ月前のウェルセクツアーで見た「But…」も、映像の演出を使った世界観があったけれど、今回のコンセプトの中では届きそうで届かない「rouge」からの「But…」の流れが、また違って見える大人っぽさがあった。衣装のせいかもしれないけれど、とにかくスタイリッシュだった。
 
あなたから見る僕は so crazy?
あなたから見る空はどう? hazy?
 
(最後音に合わせてスポットライトが一つずつ消えていく演出がすごい好きなんですけど!今回のフォーメーションだとさらに際立っててかっこよかった〜〜)
 
 
今の自分の在り方が分からない
自分は、誰に? 何になりたい?
そういえば、昔の自分は今の自分に
どうなってほしかったんだろう?
 
 
「卒業文集、何て書いた?」
「決まってんだろ!大スター!」
「やばくね?アメリカンドリームじゃね?」
「風磨もやろうぜ!アメリカンドリーム!!」
 
 
【All or nothing(嵐)】
ふうまくんと樹くんがステージ中央のハイテーブルにスタンバイして互いの腕を交差させショットを飲み干す。合言葉は“cheers…!”
Rap歌詞の「ジャニーズ代表!」と高らかに宣言するのだけれど、これがまたどこか彼の覚悟のように聞こえる。
 
言わなきゃならない言葉も
言わなくたってわかる言葉も
君の横顔 見てた放課後
口ずさんでいた頃の歌を
 
普段から仲の良い樹くんと息のあったパフォーマンスをこういう形で見せてもらえるのは嬉しかったし、二人のさり気ない合図を交わす姿を垣間見ることができて、お互いの信頼関係を感じることができた。
仕事仲間として見せる顔、言葉が無くても伝わる、友達に見せる顔。
それだって似ているようできっと違うはずだから。
 
 
【愛ing(Hay!Say!JUMP)】
慎太郎くんが勢いよくポップアップで登場して始まるとびっきりキュートでラブリー!ガタイの良さ×ぶりっ子ポーズ×キレキレダンスの既視感は完全に学園祭だった。(最高に褒めてる)
スクールカースト上位の男子グループが全力でAKBやK-POPの女子アイドルを完コピしちゃうあの感じに似ていた。
とことん振り切るところがとんでもなく格好良い。男友達の中で率先して悪ふざけする顔も、こうして見せてくれるのだ。(原ちゃんだけ「愛してる」の台詞がみんなの2倍あるのが見どころ)
 
 
「俺はあんなブリブリの女装は無理だよ!」
「とか言ってノリノリでやっちゃうのが風磨なんだよな!」
「まぁみんなで仲良く、な!」
「あ!もうこんな時間だ!帰らなきゃ!」
 
 
とにかくダンスに見入ってしまった。「どの目線だよ」と怒られてしまうかもしれないけれど、身のこなし方も軽やかになってすごく上手になったなぁと。フォーメーションもサビでGood byeする手の振りも隅から隅まで隙がなくて格好良かった。
 (これちょっと忘れたくないのでそっと書き留めておきたいんですけど、サビで一瞬片手で太腿を叩く振りがあってそのパシン!って音が直接聞こえた時に本当にふうまくんここにいるんだなってなんかすごくリアルだったんですよ……)
 
 
【36℃(TOKIO)】
椅子に座りアコースティックスタイル。
上手セットの上にちびJrが再び登場してまるで聖歌隊のような澄んだコーラスを聴かせてくれる。彼らの方を振り返り、親指を立ててにっこり微笑む表情がとっても優しいお兄さんだった。
 
Say goodbye to love 去りし日よ
Say goodbye to you 覚めぬ夢よ
Sey goodbye…
永遠のぬくもり 36℃の君の愛よ
 
戻ることのない日々に想いを巡らせる、さざ波のような心地よさ。
この曲が収録されているアルバムは2001年に発売されたものだったと知って、ふうまくんのジャニーズ愛の深さを改めて感じる。
 
【FaKe】
再び照明が暗転してレーザーを使った演出。黒の革グローブをはめてレーザーを操る。(真剣で少し口が開いちゃってるところが思わずかわいい)
レーザーを曲中のダンスに取り入れるのは全く想像しなかったけれど、舞台の見せ方もおそらくジャンルに囚われず色んな場所から吸収しているんだろうなと感じる演出だった。
 
一人じゃ怖くて 寂しくて
誰かを求めていた
時には壊れてしまいそうだった
 
樹くんと慎太郎くんと3人のステージで、二人に体を預けて歌う姿がなんだか新鮮で、今までとは違う「FaKe」に生まれ変わっていた。
 
 
【wait for you(V6)】
もう!!選曲とにかく大正解…!!!
 
指折り数えてた I wait for you
振り返れば君が そばにいてくれた
 
客席に背を向けて歌い始めるふうまくん。片手をこちらに見せて歌詞をなぞるように指折り数えてくれるし、振り向いてくれるんですよ………!!!
ふうまくんの「come on!」の掛け声で会場が一気にパーリーピーポー!!!腕上げる!飛び跳ねる!
本家V6さんのパフォーマンスとは違う、風are流の「wait for you」が、世界観ぴったりで最高だった。もうほんとこの曲が楽しすぎて…
7人でラインになってランニングマンさながらのダンス!
そしてそれぞれレーザーを持って会場を照らす表情が、みんな子供のようにわくわくしていた。
 
 
【リリック(TOKIO)】
「リリック」を歌うふうまくんが好きだ。
むき出しの魂ひとつでぶつかってきてくれるような、そして両手を大きく広げて受け止めさせてもらえるような。愛で満たされていっぱいなんだ。確かに先輩の曲だけれど、今年も自分のソロコンの大切な位置に選んできたふうまくん自身にもリリックのような曲を生んでもらえるといいなぁと。
喉が苦しそうな日もあった。思うように声が出ていない日もあった。でも上手く歌おうとなんてしなくて、ありのままの気持ちがしっかり伝わってきた。
 
明日も君に会えると願う
人はそれを 愛と呼ぶのかな
 
私たちがあなたに会いたいと願うのと同じ。
あなたも、この場所に立って、私たちに会いたいと願ってくれている。いつも素直に伝えてくれてありがとう。
 
 
【Oh Yeah!(嵐)】
 「去年と同じ曲」をやることに対してはおそらく賛否があったと思う。
「言葉より大切なもの」と同様、みんなで盛り上がれる曲をまた選んだ。去年とは違うものを作ろうとするのと同じくらい、去年の良かったところは踏襲する。それがふうまくんなりの「ソロコン」の作り方なんだろうなと、わたしはそう受け止めた。
 
「俺が先に歌うから!みんなついてきて!いい??」
そうやって問いかけてくれる優しい笑顔がまた嬉しくて。
タオルを持って腕を掲げて、この夏に悔いを残さないように。
 
 
【20-Tw/Nty】
この光景は少し前の私の記憶の中にもあった。
 
「何泣いてんの?」
 
うずくまる少年に話しかける青年。
胸元から取り出したカメラを少年に差し出し、
「お前が残したいと思う瞬間を、そのカメラで残すんだ。友達にでも自慢してきな」と 。
いつしか少年から涙は消え、笑顔で走り去ろうとする。
 
「風磨!……みんなによろしく」
 
あのお兄ちゃんはなぜ僕の名前がを知ってたんだろう?
 
ここまで作り込んできた中で、以前のSexyZoneコンサートと同じ演出を持ってきたことが何故なのかなと引っかかってしまった。(わかる人にはきっとすぐわかったんだと思うけれど)
 
時をかける少女」では、主人公の未羽が撮る“写真”が物語の鍵になっていた。
未羽が撮った写真たちは時空を超えて、大切な人に大切な想いを繋げることとなった。
2年前のSexyPower tourでふうまくんが見せた「20-Tw/Nty-」の演出は、まさにタイムリープして幼い頃の自分に会い、“写真”を残すことを教えるものだった。
今その2年前に私たちをタイムリープさせて、そのことを教えてくれているんだろな…というところまで考えた。(捉え方は自由ですよね)
 
幼い頃の自分と出会い、記憶を辿り、“現在”に戻ってきたふうまくんは小さく口を開いた。
 
「今回は『風 are you?」、自問自答をテーマにライブを作りました。
僕はアイドルであり、学生であり、俳優でもあり、タレント、アーティストでもあり…そんな中“本当の菊池風磨って一体何なんだろう?”と、ふと考えたことから始まりました。
皆さんも会社で見せる顔、学校で見せる顔、友達に見せる顔、恋人に見せる顔、本当の自分って何なんだろうって思うこともあると思います。でも社会で生きていくってそういうことなんだと思います。
“自分なんか”って思わずに。
今のあなたは、昔のあなたが思い描いていた自分自身なんですから。

僕は小さいとき、嵐になりたかったです。
どうやったら嵐になれるかなってずっと考えてて、今ここにいます。
でも今は少し夢が変わりました。
僕は…SexyZoneになりたいです。
後輩…いや後輩にもまだなってないような子に、SexyZoneになりたいって言われるように。」
 
ふうまくんはいつだってそうだ。
自分の表現したいことを追求するだけでなく、常に私たちにも何かを考えさせようとしてくれる。 
いつも優しく寄り添って、一歩を踏み出す勇気をくれる。

 
【…more】
「日常にありふれた愛について、書いてみた曲です。作詞作曲しました。」
そう言って披露してくれた新曲「…more」
誰かを愛すること、そして愛されること。
そんなテーマをミディアムバラードに乗せて歌で届けてくれた。
スクリーンには逆回転する時計の針。(歌詞の二番には“刹那”のフレーズがあったので、やっぱりキーワードなんだろうなと思う)
 
いつか二人同じ道を
並んで歩いていくこと 今誓うから
ねぇ いつまでも 一歩前でその手引くよ どんな日も
 
「今」誓いたい“未来”を、
「いつか」と表現してしまうのが切なくてたまらない。
一体いつからこんなに優しく穏やかな表情で歌うようになったのだろうか。
 
ねぇ そんな風に 上手く笑えないままでいい
そのままが あなたらしいでしょ
 
周りから愛されているからこそ、そんな愛の受け止め方を知っているからこそ「日常のありふれた愛」を歌えるのだろうし、そんな彼を愛せていることが嬉しいと改めて思った。
わたしたちも あなたに伝えたい。
そのままのあなたが なによりもあなたらしいのだと。
 
 
『風 are you?』
その答えは、自分の記憶の中にあった。
幼い頃になりたかった大人の自分。
過去はやり直すことはできない。
あなたたちに魔法をかけました。
あなたたちは10年、20年後の未来からやってきた。
だから今、この会場を出たらもう後悔をしないように生きてほしい。
同じ時代を生きる、あなたたちに幸あれ。
 
ふうまくんらしい、優しいエピローグ。
その優しい魔法にかけられて、ずっと解けないままでいたい。
(セリフがニュアンスですみません)
 
 
本編の幕を閉じた興奮冷めぬまま、白い壁に囲まれた小さな部屋に手招きする映像。
薄暗い明かりの中でカラフルな蛍光塗料を、白い壁・白い服を思い思いに汚してはしゃぐ風areの7人。
EDMに乗せて踊ってみたり、寝転がって自撮りしてみたり、ふざけ合う姿は本当に今どきの若い男の子たち。
 
 
【EN-1.Hello】
ふうまくんの「Hello…!」の掛け声に合わせて、映像の中から飛び出してきたように色とりどりのペンキで塗られた衣装で全員登場!
…のはずが、オーラスではサプライズ。
 
「Hello…」の台詞後なぜかイントロが始まらない…
ふとふうまくんが後ろを振り返ると、そこには一列に並んだ笑顔いっぱいの6人。
白いTシャツに一人ずつ描かれた「風、磨、あ、り、が、と」の文字。連日の公演と多忙なリハの中、一体いつ準備したんだろうとそれだけで胸がいっぱいになるほどだった。
 
「風磨、ありがとー!!!」
 
今年も全力て夏の思い出を作ってくれたふうまくんに、メンバーと、そして会場のファンみんなで「ありがとう」を言えたあの瞬間、最高に幸せな空間だった。その姿を見てくしゃくしゃの照れ笑いと涙声で思わず詰まってしまったふうまくん。
 
君に会える それだけで
こんなにも 輝いてる Hello
 
去年のソロコンで「It's My NewSong!」と紹介してくれた「Hello」。今年はみんなでこのフレーズを歌えたのがなんだかすごくドラマチックだった。
 
 
【EN-2.BANG! BANG! バカンス】
ラストは大先輩の夏の鉄板盛り上がりソング。
去年共演させてもらった時にも一緒に歌うことができた大切な曲。
みんなで、騒いで、バカになって、最高の笑顔が輝いていた。
 
「風磨くんの良さは絡んでみないと分かんないんスよ!」と熱弁してくれた原くん。
 
 「毎日楽しくて終わりたくない」と興奮冷めずに毎日眠りが浅いことをどこか嬉しそうに報告してくれた目黒くん。
 
 同期の森継くんが「風磨、ありがとう」と言えるのは改めて信頼を感じた心からの言葉だっただろう。
 
年下の先輩、慎太郎くんは「風磨は後輩だけど、尊敬するところしかないです」と。
 
「俺はどんな形でも、お前と同じステージに立ちたい」と言ってくれた樹くん。
 
そして「元メンバーとして、風磨を誇りに思います!」と綺麗な涙を流した北斗くん。
 
かつて同じグループで活動していた二人。
表には出さない、どこか小さなわだかまりのようなものがきっとずっと燻っていたのだろう。歯がゆさ、後ろめたさ、悔しさ…そんな言葉ではとても形容し難い複雑な思い。
だけど公演数を重ねるたびに「俺、風磨のこと見直したよ」「風磨のライブはやってて楽しい!」とまっすぐに言葉に出して伝えてくれた北斗くん。その言葉にどこか恥ずかしそうで、でも嬉しそうな表情を見せたふうまくん。この公演を一緒に作っていく時間を通じて、二人の間にあった思いがほどけていくのがわかった。
 
男の子たちがみんな隠そうともせず涙を流しながら
肩を寄せ、抱き合い、そして笑い合える。
お互いへの信頼感や尊敬の気持ちを、素直に伝え合える。
 
ふうまくんがどうしてこんなに周りから愛されているのか、今見ているこの光景が何より紛れもない答えだと思った。
 
仲間からの信頼、社会や仕事で出逢う人からの信頼というものは、決して小手先のごまかしで得られるものじゃなくて、間違いなく彼自身の人間力がそうさせているのだと思うから。
いつの間にかうまく周りを巻き込んで、空気を変えることが上手で。
言葉にしなくてもひとりひとりが皆「風磨のために」と力を貸してくれる。
 
去年いつの間にか風isのメンバーみんな愛おしく思えるようになっていたのと同じように、今回だって風areのメンバーそれぞれのこともいつの間にか大好きになっていた。
ふうまくんがかけてくれる、不思議な魔法はここにもあった。
 
オーラスはダブルアンコールで「SexySummerに雪が降る」を歌ってくれた。他のメンバーのソロコンとは異なり、SexyZoneの曲をセットリストに一切入れていないふうまくんが、唯一この場所で歌う、自分のグループの曲。
この選曲も、去年と同様だった。
 
「SexyZoneになりたい」
 
ふうまくんのその言葉の後では、おなじみのこの曲も新たな決意のような、そんな思いにさえ聴こえた。
 
「風 are you?
 
アイドルも、学生も、俳優も、タレントも、アーティストも、
仲間に見せる顔も、家族に見せる顔も、ファンに見せる顔も、
そして大切な誰かに見せる顔も、
菊池風磨を形成するすべてであり、「夢」を掴むために必要なもの。
 
何にでもなれる、 色んな顔をもつふうまくんが、「アイドル」の顔を選んでくれたことに何度だって感謝したい。
その中で枠にとらわれない抜群に光るセンスで「菊池風磨」というジャンルを作り出してくれることが、楽しみで仕方ない。
また、彼自身がジャニーズのアイドルというものに可能性を感じてくれていることが、何よりの強い原動力になってくれるのではないかと思う。

自称“青春フェチ”の彼が作り上げた今年の夏
眩しくてエモーショナルで、そして切なさの余韻に加えて愛という温もりも残してくれた。
この夏に得た経験を「SexyZone」に還元し、ふうまくんの夢がさらに大きなものになりますように。